アニバーサリーワイン

大河内でございます。

私はお嬢様方のために「パリオ」というワインをお選びいたしました。
イタリア、ヴェネト産。新進気鋭のラルコという造り手によるものでございます。

ドライフルーツやシェリーのような独特な香り。ほろ苦さと共に優しい甘みが感じられます。口に含んでから喉に落ちるまでするりと抜ける滑らかな味わい。最後にアルコールの高さを感じますが飲みづらさはなく最後まで上品さがございます。

同じ「男らしさ」でも力強さや逞しさとは少々違う。常に微笑みを見せて、ふわりと包容してくれる。大人の余裕と優しさでエスコートしてくれるそんなワインでございますね。

お嬢様方は「アマローネ」というワインをご存知でございましょうか?この類のワインは通常、干して水分を飛ばした葡萄の果汁から造られるため、濃厚で力強いワインに仕上がります。ですが、このラルコのワインは非常にエレガントでございます。スルスルと飲めるシルキーな口当たり。ダレることがない味わい。アルコールを気にさせない上品さ。そして口の中で次々と表情を変える複雑さ。先日お出ししていたポートに近い雰囲気もございますので、そちらをお気に召していただけたようでしたらおすすめでございます。甘さもございますので普段赤ワインを召し上がらないお嬢様でもきっと美味しいと感じていただけましょう。

文字数が限られておりましたので先日は非常にわかりにくい説明をしてしまいましたが、今回は制限がございません!!オペラ鑑賞までの時間が暇で暇で仕方ない…そんなお嬢様がいらっしゃいましたら続きもお読み下さいませ!

今回私もお嬢様方の為にワインをお選びできるとの仰せを受けてから、かなり色々なことを考えました。

(まずは赤か白か……豪徳寺執事は白だし神谷や長門が白を選びそうだな)(ブルゴーニュ。だと、ヴィラージュが限度。素直に美味しいワインは難しいか)(かといってニューワールドでも自分の好みのものは軒並み無理)(熟成したものも面白いけど、やはり安定感に欠ける…)(イタリア。ロッソ・ディ・モンタルチーノだと重い赤が飲める方に限られるか)

このようなことを延々と考え続け、過去のテイスティングノートの山を読み直し。最後に候補に挙がったのが以下のワインでございます!

◇1 ロッソ・デル・ヴェロネーゼ・パリオ / ラルコ
◇2 コート・デュ・ローヌ クワルツ / クロ・デュ・カイユ 
◇3 キャンティ・クラシコ・リゼルヴァ / ル・ポルタ・ディ・ヴェルティーネ

1は勿論今回選んだワイン。2はローヌのワイン。フルーツの中にスパイシーな香り。シルキーな口当たりと石のようなミネラルが非常に面白いワインでございました。3はイタリアトスカーナのワイン。年始に飲んだのですが、非常にエレガントなキャンティでサンジョベーゼの美点が余すところなく楽しめます。へたなブルネッロよりもはるかに良いですね。
結局。甘さを感じる飲みやすさと他ではなかなか飲めないセレクションということで1を選んだのですが、ほかのワインも非常におすすめでございますので、もし赤を召し上がる機会がございましたらお試しくださいませ。