ラムパンチ

お嬢様。いかがお過ごしでございましょうか。
初夏の爽やかさから、徐々に湿気をまとった空気を感じられるようになってまいりましたね。
体調をくずしてらっしゃいませんか?

今月私が主催いたしますタイニーブルームーンでは、そのような空気を吹き飛ばしてくれるような力強いカクテルをいくらかご用意いたします。

パンペロ アニバサリオという上質なラムをベースにいたしました。

どれもスタンダードなカクテルのレシピなのですが、
私なりに意匠を凝らしなかなか面白い味に仕上がったと自負しております。

前回よりも、今私自身が飲みたいと思う味を素直にご用意するつもりです。
日取りが合うようでしたら是非お召し上がりください。

冷たい鞄

春……と申しますよりも
すでに初夏でございましょうか。

大分暖かくなってまいりましたね。
花粉もそろそろ一段落で過ごしやすい時期でございますね。

ただ、そんな心地よい気候だからこそ進言がございます。

お嬢様がお祝いの際にご用命なさる、いわゆる
「アニバーサリーケーキ」
こちらのお持ち歩きについてです。

保冷材はご用意するのですが、別途で300円の保冷バッグのご用意もございます。
せっかくのケーキ。見た目が損なわれることにもつながりますので、私としては保冷バッグをおすすめしたいところではございます。

ただ保冷バッグに関しては、

 

『お嬢様が普段お使いの物を持ち込んでいただいても結構です』

ティーサロンやギフトショップで以前お求めになったものでも結構ですし、
テーマパークで扱われているようなネズミやクマやウサギが描かれたようなものでも結構です。

玄関かケーキを披露する際に使用人にお声掛けいただければ、そちらに保冷剤と共に包みますのでお任せください。

 

これからも。ティーサロンにてお嬢様の思い出の一部を担えるのならそれに勝る幸せはございません。

コンスタンティノープル

春でございますね。

お屋敷の庭園でも花々が美を競いあい、
声高らかにコーラスでも歌っているようです。

そのような中から今回はチューリップの姿をおさめてまいりました。

チューリップと申しますとオランダの印象が強いのですが。
それより以前、オスマン帝国で愛された花でもございます。
特に名君メフメト2世は自身でも育てるほどで、
多くの装飾品にもそのモチーフがつかわれております。

お嬢様におかれましても。
この春、かような名君にならい園芸を楽しまれてもよろしいかもしれませんね。

藤堂が花には優しく、お嬢様には厳しく
指導いたしますので。

16周年

昨年に引き続き、今年も使用人の撮影に参加させていただきました。

撮影、記録を専門とする使用人も当家にはおりますので、彼らに比べますと稚拙で恥ずかしい限りなのですが、
周年という節目の記録を自らの手と感性で残せたことは大変喜ばしく感謝しております。

魅力的な使用人ばかりで、彼らのよさは直接目を合わせ言葉を交わし、瞬く間に変わる表情や声の響きを感じることでしか伝わらないと思います。

しかし形に残る写真はひとつのシンボル、象徴でもございます。
それを目にすることで、彼らの声や表情、思い出がよみがえり、多くの意味を内包するようになるはずです。

 

携わった身と致しましては、是非お手に取っていただければ幸いです。

釘の果実

この度、ギフトショップにて焼き菓子を一つ提案させていただきました。

いわゆるガレットブルトンヌ。

フランスブルターニュ地方の焼き菓子をベースにしております。

バターをたっぷり使った生地にバニラとラムでしっかり香りづけをしております、そちらにハチミツに付け込んだカシューナッツで食感にリズムを与えました。

また表面には大き目の岩塩を数粒落としております。こちらも食感を楽しむと共に、味覚を開きより甘さや風味を感じさせてくれるはずです。

そしてスパイスもひとつ加えたかったのですが、今回はクローブを選びました。
全体的にバランスよくまとまっておりますので、甘く濃厚で、ほんのりしびれるような香り。こちらがいいアクセントになっているはずです。

普段はひと癖ふた癖必要だろうと趣向を凝らすのですが、

今回は意識的に多くの方のお口に合うような、あまり好き嫌いのないようなバランスに落とし込みました。

ざくざくほろほろとほおばる度に、口の中で広がる香ばしいバター、ラム、バニラ、ハチミツ。それらの甘い香りに奥行きを与えるクローブ。

コーヒーでもいいですし強めに入れたディンブラやウヴァ、リリスやアッサムなどがよろしいでしょう。

お酒でしたら甘めのラムや、リキュール類。
ドランブイ、グランマルニエ、シャルトリューズ(ジョーヌ)、アブサンなどはよろしいかもしれません。

手前味噌ではございますが、非常に美味しい焼き菓子に仕上がりました。
お手に取って、お嬢様の日々の小さな幸福につながれば幸いです。

最後になりましたが、私の我儘を形にしてくれたパティシエにもこの場をかりて感謝を。
ありがとうございました。

夜の庭園

2月。ティーサロンにて私が提案したアイスをご用意できることとなりました。

「カフェローズ」

名前の通り、コーヒーとバラの組み合わせでございます。

定番の間違いない組み合わせは数多く存在しますし、手の届く範囲に多くございましょう。
今回のカフェローズはそうではなく、一瞬驚きを覚えるような組み合わせに致しました。
陰影のある、コントラストの強い組み合わせ。

メインのコーヒーのアイスは甘さ控えめで少しビターに。
そちらにナッツを加えて食感にリズム感をあたえております。

また、ローズとベリーのソースを合わせているのですが
混ぜこむと味わいが一体になってしまいまますので、口の中で別々の味わいとして楽しめるように下に敷いてご用意いたしました。

とても面白い組みあわせなのですが、素直に美味しいと感じる味ではないはずです。
夜の帳に包まれた庭園の中で出口を求めさ迷うように、ご自身の答えを見つけてみてください。

最後になりましたが、私の我儘を形に変えてくれた当家のパティシエに感謝を。
ありがとうございました。

鳥の尾

あけましておめでとうございます。
本年もお嬢様のお役に立てることを願っております。

さて。

新年早々、ティーサロンにてカクテルをご用意する栄誉をたまわりました。

今回は冬らしくリンゴを使用したお酒カルバドスのカクテルを4種類ご用意いたします。

熟成したスピリッツの風味とフルーティーな洋梨やリンゴの風味のコントラストをお楽しみください。

今回使うカルバドスというお酒について簡単にご紹介いたします。

ぶどうの果汁を発酵させて作るお酒がいわゆるブランデー。
一方。
リンゴの果汁を発酵させて作るお酒がカルバドスです。

今回はその中でもしっかり熟成させ深みをました「シャー ド ブルイユ」という銘柄を選びました。

また「ポモー ド ノルマンディ」
というリンゴで作るポートワインも併せて使います。

昨年、時任がご用意したカクテルがどれも高い水準のものばかりでしたのでハードルの高さも感じるのですが、ご満足いただけるように努めますのでご期待ください。